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2007 年度 実績報告書

卵巣癌の薬剤耐性化機序の解明と新しい分子標的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19791135
研究機関山形大学

研究代表者

太田 剛  山形大学, 医学部, 医員 (50375341)

キーワード卵巣癌 / EGFR / Gefitinib / DNA repair
研究概要

我々は、gefitinib(イレッサ)をシスプラチン(CDDP)と併用することにより、CDDPが誘導するPI3K/AktやERK経路の活性化によるanti-apoptoticな作用を解除することによってCDDPの抗腫瘍効果を増強するか否かを研究課題とした。今年度は当初の計画通り、in vitroにおけるイレッサの卵巣癌細胞に対する効果について検討した。CDDP感受性株であるA2780,CDDP耐性株であるCaov-3,RMG-1に対してCDDPとイレッサを単独または併用投与した。その結果、イレッサとCDDPの併用投与により、1)CDDP単独投与に比べて併用投与ではcell viabilityの低下を認めた。2)CDDPにより誘導される腫瘍細胞におけるEGFR,ERK,Aktのリン酸化がイレッサの併用により抑制された。3)単独投与に比較し、腫瘍細胞のアポトーシスを増加させた。これらからイレッサは卵巣癌細胞株において、CDDPの抗腫瘍効果を増強させることが示唆された。さらにイレッサがCDDPによるDNA損傷からの修復を遅らせる効果があるか否かという点についても実験を進め、以下の結果が得られていた。CDDPにより誘導されるDNA損傷はイレッサを併用することで、1)DNA repair assayにおいて修復が遅延し、2)DNAの修復酵素であるDNA-PKのmRNAレベルでの発現を抑制した。これらから、イレッサはCDDPが誘導するDNA損傷からの修復を遅延することでもCDDPの抗腫瘍効果を増強することが示唆された。今後は更なる検討を、in vivoにおいて行う予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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