1. ダイオキシン類によるAh受容体-ARNT複合体形成の確認および細胞内局在の検討 ラット顆粒膜細胞に内因性のAh受容体およびARNTが発現しているか確認するため、細胞よりLysateを抽出し抗Ah受容体抗体、抗ARNT抗体を用いたWestern blot法にてそれぞれのタンパク質の発現状況の検出を行った。内因性のAh受容体およびARNTは、それぞれ微量ながらラット顆粒膜細胞に発現していることがWestern blotにて確認された。 リガンド刺激によるAh受容体-ARNT複合体が形成を確認するため、それぞれの遺伝子を遺伝子導入により過剰発現させ、免疫沈降実験でタンパク複合体が検出可能か検討中である。 2. AHR-ARNT複合体形成後の標的遺伝子誘導の同定 先行実験で確認された卵巣顆粒膜細胞におけるAh受容体を介するシグナリングで誘導される遺伝子群(CYP1A1、CYP1B1、Acetyl-Coenzyme A acyltransferase 2)の転写活性に対して、Ah受容体を介するシグナル伝達経路が影響を及ぼすか否かを検討するため、それぞれのプロモーター領域の塩基配列を導入したルシフェラーゼレポーターベクターを作成中である。今後、作成ベクターを卵巣顆粒膜細胞に遺伝子導入し、ダイオキシン類投与に伴うAh受容体活性化に伴うルシフェラーゼレポーターベクターの転写活性の変化の観察し、標的遺伝子の転写活性への修飾に関して検討を行う予定である。
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