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2007 年度 実績報告書

婦人科悪性腫瘍に対する癌ワクチン療法施行中のマクロファージの動態

研究課題

研究課題/領域番号 19791140
研究機関金沢大学

研究代表者

大野 智  金沢大学, 医学系研究科, 特任准教授 (90345629)

キーワード婦人科癌 / WT1 / ワクチン療法 / マクロファージ / トランスレーショナルリサーチ
研究概要

本研究では、がん免疫療法(WT1ペプチドワクチン療法)施行前後で、樹状細胞(Dendritic cells; DC)及び単球系細胞の動態やサイトカイン産生バランスを詳細に検討するとともに、その結果得られたサイトカイン等の動態がWT1特異的細胞障害性T細胞の誘導へ与える影響を検討することを目的としている。本年度は以下のような結果が得られた。
1.末梢血中単球系細胞の細胞表面マーカーの動態
ワクチン投与前に比べ投与1ヶ月後においてCD80およびCD83は低下する傾向が認められたが、ワクチン投与2ヶ月後、3ヶ月後においては上昇する傾向がみられた。HLA-DRはワクチン投与1〜2ヶ月後において低下する傾向が認められたが、投与3ヶ月目においては上昇する傾向がみられた。
2.末梢血中樹状細胞(DC)数の動態
ワクチン投与2ヶ月後において、plasmacytoid DCは増加する傾向が認められた。特筆すべき点として、ワクチン投与前に末梢血中に検出されなかったmyeloid DCが3ヶ月後において検出される症例があった。
以上の結果から、WT1ペプチドワクチン投与によってDCが賦活化・増殖し、治療効果が得られるには、ワクチン投与から2〜3ヶ月の期間を要する可能性が示唆された。また、HLA-DRは、ワクチン投与1〜2ヶ月目には低下し3ヶ月後に上昇する傾向が認められたことから、現在開発中のMHC-class II対応のWT1ペプチドの投与は、現在実施しているMHC-class I対応のWT1ペプチドと同時投与ではなく、タイムラグを設定する必要がある可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wilms Tumor Gene WT1 Peptide-Based Immunotherapy Induced a Minimal Response in a Patient with Advanced Therapy-Resistant Multiple Myeloma.2007

    • 著者名/発表者名
      Tuboi A, et. al.
    • 雑誌名

      Int J Hematol 86

      ページ: 414-417

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cyclooxygenase-2 expression correlates with apoptosis and angiogenesis in endometrial cancer tissue.2007

    • 著者名/発表者名
      Ohno S, et. al.
    • 雑誌名

      Anticancer Res 27

      ページ: 3765-3770

    • 査読あり
  • [学会発表] 金沢大学におけるWT1ペプチドを用いたがんの免疫療法の第II相臨床試験2007

    • 著者名/発表者名
      大野智、鈴木信孝、石崎純子、井上正樹
    • 学会等名
      第7回WT1ペプチド癌免疫療法研究会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2007-08-25
  • [図書] 「がんに効く」民間療法のホント・ウソ-補完代替医療を検証する2007

    • 著者名/発表者名
      大野智
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      中央法規出版
  • [備考]

    • URL

      http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med67/clinical/index.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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