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2007 年度 実績報告書

新たな流産誘発因子adipsin-胎盤内の補体活性または脂質代謝に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 19791176
研究機関大阪府立大学

研究代表者

日下部 健  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (20319536)

キーワードAdipsin / C3 / Factor D / 栄養膜細胞 / 胎盤 / 妊娠 / 補体 / 流産
研究概要

先に行った網羅的遺伝子解析により,マワス自然流産胎盤において高頻度な遺伝子発現が認められた補体活性化因子adipsinについて,胎盤内動態・作用に関する検討を行った。免疫組織化学的検索により胎盤内の分布を調べると,adipsinは正常胎盤の迷路部において微弱ながら反応性が認められたが,流産胎盤ではその検出強度が明瞭に亢進していた。特に,栄養膜細胞の母体側血液に接する細胞膜,および母体血液の血漿成分に陽性反応が認められた。補体副経路において,adipsinを介し活性化される補体C3について胎盤内局在を同様に調べると,adipsinと同じく栄養膜細胞の表面に陽性反応が認められ,さらに母体-胎児間領域に存在する栄養膜巨細胞の内部にも穎粒状の反応性が認められた。胎盤よりタンバク質を抽出し,CH50法で補体活性を測定すると,正常胎盤に比べて流産胎盤で約3倍の亢進が認められた。流産胎盤の補体活性は,膜成分の溶解分画よりも胎盤を細切・洗浄して得た分画で高く検出された。尚,血清の補体活性は,妊娠と非妊娠マウスの間では変化はなかった。
流産胎盤では,体液などに由来する表在性の補体成分が胎盤内で活性化され,その機序には栄養膜細胞が産生するadipsinが関与すると考えちれた。補体活性化の傷害部位,生殖学的意義については更なる検討が必要であるが,活性化されたC3は栄養膜細胞に付着して細胞膜を傷害し,胎児への栄養供給・ガス交換能力を低下させ,流産誘起の要因として,あるいは流産胎児・胎盤の退行過程での組織吸収に関与すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Regulation of natural-killer cell cytotoxicity and enhancement of complement factors in the spontaneously aborted mouse placenta2008

    • 著者名/発表者名
      Kusakabe K., et. al.
    • 雑誌名

      Fertil Steril (in press)

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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