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2008 年度 実績報告書

新たな流産誘発因子adipsin-胎盤内の補体活性または脂質代謝に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 19791176
研究機関大阪府立大学

研究代表者

日下部 健  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (20319536)

キーワードAdisin / C3 / Factor D / 補体 / 流産 / 胎盤
研究概要

流産胎盤におけるadipsin(Factor D)の局在と機能について検討を行った。マウスの自然流産胎盤を注意深く観察すると、胎盤の変性は胚の吸収に遅れて起きていた。流産胎盤の変性部位は、胎児との栄養交換に重要である迷路部において特に顕著であった。免疫染色では、adipsinの陽性反応は迷路部領域において認められ、反応性は組織変性の初期に最も亢進した。ウエスタンブロットで調べると、流産胎盤においてadipsinタンパクの有意な増加を認め、特に体液成分および組織の表在成分に豊富に含まれることが分かった。補体活性を調べると、正常に比べ流産胎盤で強い活性が認められ、やはり体液成分で有意な上昇が認められた。補体活性の中心的役割を持つComplement factor C3について検討すると、C3前駆体、活性化体(C3b)、不活化体(iC3b)が流産部位で増加しており、特にC3bの増加が著明であった。
流産胎盤ではadipsinが豊富に含まれ、補体C3の限定分解経路を促進し、胎盤内補体活性を増加させていることが示唆された。特に、流産の発生初期において、活性化した補体系が胎盤迷路部の組織変性に関与している可能性が考えられた。
今後の展開としては、妊娠期におけるadipsinの特異的産生部位を同定し、胎盤内への流入経路について検討を行う。同時に、adipsinと補体の細胞傷害作用について評価を加える。さらに、adipsinは脂質代謝にも関わることが知られているため、妊娠の維持と脂質代謝との関係性にadipsinがどのように関わるのか、研究を展開していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Involvements of NK cells and complement factors in spontaneously aborted mouse placenta2008

    • 著者名/発表者名
      Ken Kusakabe
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-12-01
  • [学会発表] マウス自然流産胎盤におけるNK細胞と補体活性2008

    • 著者名/発表者名
      日下部健、武下愛、加藤啓子、岡田利也
    • 学会等名
      第146回日本獣医学会
    • 発表場所
      宮崎市フェニックスシーガイヤリゾート
    • 年月日
      2008-09-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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