・HER2/neuペプチド特異的CD8陽性Tリンパ球がpolysomal RNA刺激群にて誘導されるか否かを、フローサイトメトリーにて、ペプチド特異的ダイマー染色を施行した。その結果、polysomal RNA刺激群において、monosomal RNA刺激群、ペプチド単独刺激群を比較して著明なHER2/neuペプチドE75特異的CD8陽性Tリンパ球の誘導効果を認めた。 ・樹状細胞の抗原提示メカニズムにおいてphagocytosisまたはendocytosisが共に重要な経路であることを各インヒビターを用いたブロッキングアッセイにて確認した。その結果、endocytosis経路のblocking assayにおいて、HER2/neuペプチドE75特異的CD8陽性Tリンパ球の誘導効果の抑制を認めた。 ・Paclitaxelの免疫修飾効果を用いたより強力なpolysomal RNAの開発を目指した。低濃度(1nM)、中濃度(10nM)、高濃度(100nM)paclitaxelを用いて卵巣癌細胞株を12時間処理し、PI Annexin染色で、apoptosic cellの発現をflowcytometryにて測定した。低濃度でのpaclitaxel処理はリンパ球、樹状細胞の活性を落とすことなく、アポトーシスが誘導されずに、HER2/neuペプチド特異的CD8陽性Tリンパ球を誘導した。しかし、対照的に、中濃度、高濃度のpaclitaxel処理はリンパ球、樹状細胞のアポトーシスを誘導した。
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