研究課題
前年度の研究項目1, 2, 3、4を更に継続して行った。1. レクチンによるプロファイル2. レクチン認識の違いによる受精能の検討3. レクチン認識部位の組織学的解析4. 受精の膜融合機構に関する検討本年度は新たに、下記5の項目についての検討を開始した。5. 糖鎖インフォマティックス当研究部では、すでにヒト幹細胞に対して行ったレクチン・抗糖鎖抗体による網羅的解析と、これらマ一カーを用いて分画した細胞集団の細胞生物学的解析の結果から、各細胞種・分化度別の細胞表面糖鐸プロファイルを作成した経験がある。単独で配偶子に特異的に結合するレクチンを特定することが望ましいが、ヒト幹細胞を用いた経験から、複数のレクチンを用いた場合の方がより正確に細胞の分化能を特定することが可能である。そこで、複数のレクチンのマッピング情報による標準化を行う。レクチン認識による細胞糖鎖に関する定量データを主成分解析およびクラスター解析を行うことにより、受精能との相関関係を推定する。現在までに得られているヒト幹細胞のデータを基にして行った解析では、医生物学的特性と糖鎖との連関が明確になっている。得られた情報はマッピング情報としてデータベース化する。プロファイルのデータを階層的クラスタリングやk-meansクラスタリング、主成分分析などを用いてクラスタリングを行うことで、細胞の糖鎖プロファイリングに基づいた分類を行う。サンプルとデータベース内のプロファイルの類似度をユークリッド距離や相関係数等で計算することにより、サンプルがどの細胞種に属するかを判定することが可能となった。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proc Natl Acad Sci USA 105
ページ: 12921-6