(平成19年度目的)ナノ粒子の内耳・蝸牛神経核への到達度の評価するために、Qdot 655 Cell Labeling Kit及びQdot 655 Antibody Conjugatioin Kitを用い、内耳や脳幹へのデリバリーが可能かどうか検討した。 (方法)Qdot 655 Antibody Conjugatioin Kitには、neurotracerに用いられるPeroxidase from Hoseradish (HRP)を結合させ投与した。投与方法は正円窓投与または蝸牛階へ直接注入した。Qdotは-20℃では破壊され蛍光性を失うため、パラフィン固定、またはsurface preparationを蝸牛に、振動ミクロトームによるスライスを脳幹に対し行った。 (結果)当初の予定通りguinea pigを使用した。Qdot 655 Cell Labeling Kit単体では蝸牛内組織や蝸牛・前庭神経及び脳幹への明らかな取り込みは認めなかった。Qdot Antibody Conjugatioin Kit単体でも蝸牛内組織や蝸牛・前庭神経及び脳幹への明らかな取り込みは認めなかった。HRPを結させたQdot 655を用いたが、蝸牛内組織や蝸牛・前庭神経及び脳幹への明らかな取り込みは認めなかった。正円窓の透過性や内耳開窓による蝸牛内組織へのダメージも考慮し、マウスに対して正円窓投与を行ったが、同様に明らかな取り込みを認めなかった。 (考察)最近PraetoriusらがCy3-labeled silica nanoparticlesを用いspinal ganglionへのドラッグデリバリーを成功させたとの報告があり、本研究においても投与法や結合蛋白を工夫すればドラッグデリバリーが可能と思われる。
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