分子生物学的実験、組織学的実験準備に当たって、KCNQ4ノックアウトマウスを作成するために、学外との共同研究の提携を検討した。しかし、ノックアウトマウスを用いる共同研究を拒否された。前庭有毛細胞の活性化伝達に欠かせないα1Dカルシウムに変更し、ノックアウトマウスとワイルドタイプマウスの調達、飼育の準備を始めたが、ノックアウトマウス作成の進行も難航し、予定通りに進まないため、マウスの前庭有毛細胞に加齢によって細胞数の変化、また電気生理学における機能的変化について実験系に変更した。それぞれ年齢別の2群のSAM-P1マウス、Wisterマウスの前庭有毛細胞を対象に、実験を進めた。現段階では、コントロール群の、若年(P7~14)SAMマウスとWisterマウスにおいて、それぞれのgKLカリウムチャンネルにおける電気生理学的機能変化は見られないことが分かった。これからは、対象群の高齢(生後24ヵ月~36ヵ月)SAM-P1マウスとWisterマウスについて進め、検討しているところである。
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