非症候群性難聴の原因遺伝子として最も高頻度に変異がみられるGJB2(ギャップジャンクションβ2)について、われわれの382家系の研究成果によって、GJB2による難聴は言語習得前難聴の18.6%、先天性難聴の28%、常染色体劣性遺伝形式の非症候群性難聴の26.1%を占めることが判明した。遺伝子型では、235delCが52.6%と約半数を占め、G45E、Y136X、V37I、R143Wなどが確認された。表現型-遺伝型の関係では、235delCのホモ接合では高度~重度難聴を呈すること、非短縮型変異の組み合わせでは中等度難聴を示すことを明らかにした。一方、家族性難聴もしくは原因不明の両側性感音難聴を示したヘテロ接合のGJB2変異者には、GJB2とGJB6を含む欠失によるDFNB1複合遺伝子座の変異は検出できなかった。従って、日本人においては本変異は少ないものと考えられた。
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