1)上咽頭癌患者および健常人からのDNA抽出: 金沢大学医学部附属病院病理部に保管してある上咽頭ガン組織パラフィンブロックよりDNAを採取した。またすでに当科にて2002年より保存されていた上咽頭ガン患者の全血よりゲノムDNAを採取した。それに加えて対象とするため上咽頭ガンのみならず他の頭頸部癌、喉頭ガン、下咽頭ガンをはじめとした腫瘍パラフィンブロックよりDNA採取が可能であった。採取されたゲノムDNAは90%以上は分光光度計にて精製度を確認しており次のステップであるpolymerase chain reactionに十分耐えうる精製度であった。全血からのサンプルでは一部ヘモグロビンの混入があるために精製度の悪いサンプルも認めたがキレート剤の使用によりその精製度をあげることで解決した。 2)polymerase chain reaction(PCR)を用いたSNPの決定:すでに設計済みのプライマー、プローブにて上咽頭ガン患者および健常人からのDNAにてPCR反応を行った。今回は予備実験段階にてABI Prism 7700 systemではなくLightCyclerシステムの方がこのSNP検出に優れていることが確認できたのでそちらのシステムにて解析することとした。アレル1と2のヘテロ接合体、そのホモ接合体のいずれも検出することが可能であった。現時点では正常コントロールにはその3つの割合には差がなかった。上咽頭ガン患者のゲノムDNAに関しては評価中である。
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