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2007 年度 実績報告書

RNA干渉を利用したアレルギー性鼻炎の新しい治療薬開発の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19791200
研究機関山梨大学

研究代表者

遠藤 周一郎  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20324204)

キーワードスギ花粉症 / RNA干渉 / Cry j1T細胞エピトープ / T細胞クローン
研究概要

今年度は,スギ花粉症患者の末梢血単核球を分離したのち,Cry j 1タンパク及びCry j 1由来ペプチドに対するT細胞反応を調べた。スギ花粉症患者の末梢血を分離しCry j 1タンパクにて数回刺激したところ,Cry j 1特異的なT細胞増殖反応を認めるようになった。同時にELISA法によって産生するサイトカインを調べたところIFN-γ,IL-4,IL-5のTh1,Th2いずれのサイトカインとも産生されていた。
Cry j 1にて更に刺激を繰り返してT細胞株を樹立したのち,Cry j 1由来のoverlapping peptidesに対する反応を調べたところ,4種類のpeptidesが90%以上の患者のT細胞を刺激できた。
一方,これらスギ花粉症患者のT細胞のうち,制御性T細胞についても同時に検討を加えた。
制御性T細胞にはnaturally occurring regulatory T cell(nT reg)とIL-10産生regulatory T cell(Tr1)の二つのタイプが存在する。nTregのマーカーとしてFOXP3の遺伝子発現を,そしてTr1のマーカーとしてIL-10産生を調べた。同時に中和抗体を用いてCry j 1に対するT細胞反応にこれら制御性T細胞がどのように関与しているかを検討した。
健常人ではCry j 1タンパクによる刺激の前後でのFOXP3の遺伝子発現が,スギ花粉症患者に比べて有意に上昇を示した。一方,健常人,スギ花粉症患者の一部ではT細胞はCry j 1に反応し,IL-10産生を認めた。また,一部のドナーでは,健常人,スギ花粉症に関わらず,GITRやIL-10の中和抗体の存在下では,Cry j 1とのT細胞反応の増強を認めた。
このように,スギ花粉に対するT細胞応答に対して,二つの制御性T細胞が大きく関わっていることが示唆された。
今後は,Cry j 1特異的T細胞株を使って,制御性T細胞及びsiRNAによる免疫応答の制御について調べていく予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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