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2009 年度 実績報告書

外傷性嗅覚障害に関する嗅覚再生治療の為の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 19791204
研究機関三重大学

研究代表者

小林 正佳  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80343218)

キーワード嗅覚 / 嗅神経 / 再生 / マウス / 外傷 / 切断
研究概要

今回の研究は、嗅神経切断後に篩板を自家筋膜片に置換すると、再生嗅神経の嗅球到達、嗅球ニューロンとのシナプス形成がより効率的に成され、嗅覚回復に寄与することを、哺乳動物を用いて実験的に検証する目的で施行した。瘢痕化した篩板を自家筋膜片で置換することにより、嗅神経-嗅球の神経路が再生するのを組織学的、生化学的に検証し、さらにこの置換による再生促進に寄与する因子を探索する。また電気生理学的、実験行動学的検証により、この瘢痕化した篩板の置換がより効果的に嗅覚機能の回復を招来することを明らかにする。遺伝子組み換えマウスであるOMP-tau-lacZマウスをペントバルビタールで麻酔し、マウスの前頭骨と鼻骨を削開して嗅球と鼻内の嗅粘膜を明視下におく。テフロンで作製した柔軟な神経切断カッターを左側の篩板と嗅球の間に挿入して嗅神経を切断する。右側は切断せず、コントロールとする。篩板を切除し、その欠損部に同一個体から採取した側頭筋膜片を挿入し、閉頭した。術後5日目、14日目、42日目でマウスを生理食塩水とホルマリンで環流固定し、頭蓋を摘出し、脱灰処理した後、スライス切片標本を作製し、X-gal染色により可視化した嗅神経が再生して嗅球へ到達するかを組織学的に検証した。この結果、嗅神経を切断直後に筋膜片を移植した場合、嗅神経が移植筋膜片を貫通して再生しているのを確認した。嗅神経の再生は篩板周囲の局所傷害の程度に依存し、傷害が軽度だと炎症も軽度で神経再生が良好となり、傷害が高度であると局所炎症も高度で神経再生が不良となることがわかった。ステロイド薬による消炎治療を同時に行うと、高度傷害群でも炎症が軽度となり神経再生も良好となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 嗅覚研究の臨床医学応用2010

    • 著者名/発表者名
      小林正佳
    • 雑誌名

      におい・かおり環境学会誌 41(印刷中)

  • [雑誌論文] 嗅覚障害の治療2010

    • 著者名/発表者名
      小林正佳
    • 雑誌名

      ENTONI (印刷中)

  • [雑誌論文] 総説特集I:嗅覚臨床研究の進歩-6:外傷性嗅覚障害の予後改善のための研究2009

    • 著者名/発表者名
      小林正佳
    • 雑誌名

      日本味と匂学会誌 16

      ページ: 31-37

  • [雑誌論文] 外傷性嗅覚障害の予後因子と予後改善のための基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      小林正佳
    • 雑誌名

      日本鼻科学会誌 48

      ページ: 85-87

  • [雑誌論文] 外傷性嗅覚障害2009

    • 著者名/発表者名
      小林正佳
    • 雑誌名

      JOHNS 25

      ページ: 1343-1349

  • [雑誌論文] Olfactory nerve recovery following mild and severe injury and the efficacy of dexamethasone treatment2009

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Kobayashi, Richard M.Costanzo
    • 雑誌名

      Chemical Senses 34

      ページ: 573-580

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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