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2007 年度 実績報告書

先天性・後天性高度難聴者の語音処理における聴皮質の変化

研究課題

研究課題/領域番号 19791206
研究機関京都大学

研究代表者

平海 晴一  京都大学, 医学研究科, 助教 (10374167)

キーワード発声関連磁場 / 脳磁場計測
研究概要

発声関連磁場(vocalization-related cortical field; VRCF)計測条件について、正常被験者で検討を行った。条件の設定には様々な問題点があり、国内国外の研究者から貴重なアドバイスを頂戴し、下記の解決方法を得ることが出来た。
(1)トリガの設定について
加算平均を行うトリガに関して、当初は被験者の音声に対して閾値を設定し自動的にトリガを作成する試みを行ったが、閾値を低くすると雑音にも反応し、VRCFのみを加算平均することが出来なかった。逆に閾値を高くすると、発声のオンセットより20ms程度の遅延が生じることがわかった。そのため自動的なトリガの作成はVRCF測定中の目安としてのみ使用し、最終的なデータはオフラインで肉眼的に波形を選択し、加算平均することにより、解析可能な反応を得ることが出来ることが判明した。
(2)発声する音声について
発声する音声に関しては、母音であれば明らかな違いを認めなかった。しかしながら、単一の母音を連続して発声することは覚醒レベルの維持が困難であったため、5種類の日本語母音を順次発声することとした。複数の母音を使用しても、得られる波形は十分解析可能なものであることが判明した。
(3)反応の解析について
得られた加算平均波形に関しては、slow waveが混入する例を認めた。これはノイズを加えるためのイアートームと音声反応を捕らえるためのマイクとの二つの機械を脳磁場計測計の付近に設置していることと、発声に関連して歯牙充填剤などの磁性体が動くことの影響と考えられる。3Hz程度のhigh pass filterでこのslow waveは除去することが出来る。一方でhigh pass filterは潜時に影響し、運動準備反応などを除去することが知られている。そのため、評価に関しては波形の有無にX2乗検定を用いることが適当と考える。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Intraoperative cochlear nerve monitoring in vestibular schwannoma surgery-does it really affect hearing outcome?2008

    • 著者名/発表者名
      Piccirillo E, Hiraumi H, Hamada M, Russo A, De Stefano A, Sanna M
    • 雑誌名

      Audiol Neurootol 13

      ページ: 58-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-organic hearing loss.2007

    • 著者名/発表者名
      Hiraumi H, Tsuji J, Kanemaru S, Fujino K, Ito J
    • 雑誌名

      Acta Otolaryngol Supp1.557

      ページ: 3-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cochlear implants in post-lingually deafened patients.2007

    • 著者名/発表者名
      Hiraumi H, Tsuji J, Kanemaru S, Fujino K, Ito J
    • 雑誌名

      Acta Otolaryngol Supp1.557

      ページ: 17-21

    • 査読あり
  • [学会発表] 蝸牛下法と経蝶形洞法を併用した錐体尖コレステリン肉芽腫2007

    • 著者名/発表者名
      平海晴一、中川隆之、金丸眞一、伊藤壽一
    • 学会等名
      第17回 日本耳科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20071018-20
  • [学会発表] 振幅変調によるマスキング解除の加齢変化 脳磁場計測による測定2007

    • 著者名/発表者名
      平海晴一、森田武志、内藤 泰、伊藤壽一
    • 学会等名
      第52回日本聴覚医学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20071004-05
  • [学会発表] The efficiency of transtympanic micsoendoscope in the approach to the round window membrane2007

    • 著者名/発表者名
      Hiraumi H, Takayuki N, Ito J
    • 学会等名
      111th Annual Meeting of the American Academy of Otolaryngology
    • 発表場所
      Washingotn DC
    • 年月日
      20070916-19
  • [学会発表] The efficiency and limitation of transtympanic micsoendoscope in the approach to the round window2007

    • 著者名/発表者名
      Hiraumi H, Takayuki N, Ito J
    • 学会等名
      2nd Scientific Meeting of the Tinnitus Research Initiative
    • 発表場所
      Monaco
    • 年月日
      20070717-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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