研究概要 |
今年度はラット蝸牛に対してNogginが与える影響の有無と、Noggin投与の指摘濃度を決定するための実験を行った。Wistar系ラット7週齢を麻酔後、ABR(トーンバースト、4000Hz,16000Hz)にて聴力域値正常(40dBで波形が確認される)ものを実験に使用した。その後右耳後部を切開し、耳骨胞にドリルで小孔をあけた。正円窓を確認して、カテーテルを挿入し、開窓部は結合組織で閉鎖した。カテーテルは骨胞にデンタルセメントで固定し、Osmotic mini pump(Alzet)にRecombinant Mouse Noggin(R&D Systems)を充填させたものを背部に留置し、カテーテルと接続させた。Nogginの投与法は10、30、100μg/mL、0.5μL/時間、2週間の持続投与とした。 カテーテル挿入し、蝸牛にnogginを持続注入させる手技がまだ安定しておらず、聴力が低下するもの、この操作により蝸牛骨化がみられるものがまだみられる。一部のラットでは蝸牛の形態変化を伴わず、聴力も低下しない所見が得られたが、この先の実験に使用できるほど安定しないため、動物をモルモットに変更し、同様の手技での実験を試みているところである。モルモットでは蝸牛にカテーテルを挿入する手技がラットよりはるかにやりやすく、今後予定していた実験をモルモットでもやっていく予定である。ただしモルモットの髄膜炎モデルはこれまで作っていなかったため、今回はモルモット蝸牛に直接LPSを注入し、蝸牛骨化を試みる実験も始めている。
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