研究概要 |
今年度はモルモット蝸牛に対してNogginが与える影響の有無と、Noggin投与の指摘濃度を決定するための実験を行った。Hartley系モルモット8週齢を麻酔後、ABR(トーンバースト、4000Hz, 16000Hz)にて聴力域値正常(40dBで波形が確認される)ものを実験に使用した。その後右耳後部を切開し、耳骨胞にドリルで小孔をあけた。正円窓を確認して、カテーテルを挿入し、開窓部は結合組織で閉鎖した。カテーテルは骨胞にデンタルセメントで固定し、Osmotic mini pump(Alzet)にRecombinant Mouse Noggin(R & D Systems)を充填させたものを背部に留置し、カテーテルと接続させた。Nogginの投与法は10、30、100μg/mL、0.5μL/時間、2週間の持続投与とした。 モルモットは前年度のラットと比較して、蝸牛内にカテーテル挿入し、nogginを持続注入させる手技は容易であった。Nogginによる聴力の低下はほとんどみられなかった。また内耳に形態学的な変化ももたらさなかった。またモルモットの髄膜炎モデルはこれまで作っていなかったため、今回はモルモット蝸牛に直接LPSを注入し、蝸牛骨化を試みる実験を行った。約30%の動物で蝸牛の骨化がみられた。骨化を起こす確率をさらに上げることが今後の課題である。またLPS投与モルモットに対してNogginがどの程度骨化を抑制するか検討する予定である。
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