研究概要 |
1)頭頸部癌細胞株を用いたrealtimeRT-PCRによる各遺伝子発現と抗癌剤感受性との相関 Focused DNA arrayで得られた5FU抗癌剤感受性規定因子の候補(FPGS,MRPl,LIG3,PARP,p53,SODl,UCK2)についてrealtime RT-PCR(Comparalive Ct法,内部標準GAPDH)を行い抗癌剤感受性との相関を検討した。 抗癌剤感受性は5FU,72時間接触によるMTT assayによって得られたIC50をその指標とした。細胞株はUM-SCC-6,10B,14A,17B,23,81B,KON,SAT,HSQ-89の9種類を用い、各々のIC50は0.925,3.058,2.782,5.175,0.930,0.650,7.319,13.546,1.600.(μg/m1)であった。 相関を認めたのはLIG3(P<0.039,相関係数0.692)であった。FPGSの相関は見られなかった。 2)5FU代謝経路にかかわる遺伝子発現の検討 上記のほか5FU代謝経路にかかわる遺伝子すなわちDHFR,DPYD,DPYS,DUT,ECGF1,FDXR,GGH,MTHFR,NFKB1,NME1,NME2,RRM1,RRM2,TK1,TNFSF6,TYMS,UMPH,UMPH2,UMPK,UMPS,UNG,UP,UPBについても同様の方法で検討を行った。mRNA発現と5FU抗癌剤感受性との相関を認めたものはTK1(P<0.022,相関係数0.743)であった。
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