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2007 年度 実績報告書

細胞培養シートを用いた中耳粘膜再生の試み-移植用シートの開発とその臨床応用-

研究課題

研究課題/領域番号 19791239
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

山本 和央  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50408449)

キーワード中耳粘膜 / 粘膜再生 / 中耳真珠腫 / 温度応答性培養皿 / 鼻粘膜 / 粘膜移植
研究概要

中耳真珠腫や癒着性中耳炎などの中耳疾患においては、術後に中耳腔及び乳突腔の正常粘膜を保存することが困難な症例も多く、良好なガス換気が失われ、術後鼓膜の再癒着や中耳真珠腫の再発が起こりやすい。このような症例に対して術後の露出した骨面上に早期に粘膜を再生させることが癒着や再発の予防になると考えられる。これまで中耳手術においては、粘膜の再生を期待して鼻粘膜、頬粘膜移植やシリコン膜、ゼルフォームなどが使用されてきたが充分な結果は得られていない。ヒトにおける培養細胞シートの開発及びシート移植が可能となれば中耳粘膜の再生が促進され、これまでコントロールすることが困難であった肉芽増生や骨増生が抑制されることが期待できる。倫理委員会の承認及び本人の同意を得たうえでヒト中耳粘膜を術中に採取し、explant culture法にてI型コラーゲンをコーティングした培養皿に初代培養を行い、中耳粘膜上皮細胞を分離した。分離した細胞を温度応答性培養皿上で約2週間培養し細胞シートを作製した。作製した人工中耳粘膜をH-E染色にて形態観察を行ったところ、ほぼ単層の上皮様構造が認められた。将来的に中耳粘膜からの粘膜採取が困難な場合や採取できる粘膜が中耳の場合は微量である点などを考え、同時に鼻粘膜細胞シートの応用も検討した。倫理委員会の承認及び本人の同意を得たうえでヒト下甲介粘膜を術中に採取し、同様に細胞シートの作製を行い、H-E染色にて形態観察を行った。人工中耳粘膜と同様にほぼ単層の上皮様構造が認められた。また、走査型電子顕微鏡(SEM)では微揉毛はほとんど観察できなかったが、多角型の細胞配列を認め、透過型電子顕微鏡(TEM)ではtight junction、desmosomeなどが認められ、細胞間接着の存在を確認した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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