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2008 年度 実績報告書

AAVベクター及びRNAi技術を用いたVEGF抑制による眼内新生血管抑制の試み

研究課題

研究課題/領域番号 19791296
研究機関日本医科大学

研究代表者

五十嵐 勉  日本医科大学, 医学部, 助教 (10421190)

キーワード遺伝子治療 / 加齢性黄斑変性症 / 網膜 / AAV Vector / 血管新生抑制
研究概要

1. 研究開始当初の背景
抗VEGF抗体が加齢性黄斑変性症に対し臨床的に非常に有用であることが近年わかり脚光を浴びているが、様々な臨床治験で眼内炎の発症率が年に1%程度あること、また月1回の投与で十分な効果があるか否か不明なことより、継続的発現が可能な遺伝子治療が期待される。AAVには各サブタイプが知られているが、近年type5、8などのタイプが網膜への遺伝子導入効率が高いとの報告がされている。今回、我々はtype5、type8にマーカー遺伝子であるEGFP(enhanced green fluoresein protein)を組み込んだベクターを作製し、マウスの網膜に対し遺伝子導入を行い比較を行った。またVEGFのレセプターであるflt-1の可溶性flt-1を組み込んだAAVベクターを作製し(AAV-slt-1)、脈絡膜新生血管(CNV)モデルに対し脈絡膜新生血管抑制の効果を検討した。今回脈絡膜に対し導入効率のよい8型を使用した。
2. 研究の目的
脈絡膜新生血管(CNV)モデルに対し脈絡膜新生血管抑制の効果を検討することにより、CNVモデルに対する遺伝子治療の確立を目的とした。
3. 研究の方法
7週齢C57BL/6Jマウスにレーザー照射を行ったCNVモデルに対しAAV-sflt-1(n=11)またはコントロールとしてAAV-LacZ(n=12)を網膜下に注入した。2週間後蛍光造影剤を心臓より還流し、フラットマウント作製し、新生血管部位の面積を計測し血管新生抑制効果を比較検討した。
4.研究成果
type5、type8にEGFPを組み込んだベクターをマウス網膜に導入した結果、AAVtype8の方が遺伝子導入効率・発現効率ともに高かった。また、type5、type8ともに炎症系細胞の発現は認められなかった。
CNVモデルに対しAAV-sflt-1またはコントロールとしてAAV-LacZを網膜下に注入した。2週間後蛍光造影剤を心臓より還流し、フラットマウント作製し、新生血管部位の面積を計測し血管新生抑制効果を比較検討した。その結果、新生血管の部位はAAC-1acZ注入群が1470±1000μm_3に対し、AAV-sflt-1注入群は555±304μm_3と有為に血管新生抑制効果を認め、平均62.3%の減少を示した。
結論として、AAV type8は網膜に高率に遺伝子導入が可能であり、高発現が可能であった。また、AAV-sflt-1は脈絡膜新生血管に対し抑制効果を認めた。AAV type5、8ともに網膜下注入に対し病理学的所見では特に炎症を認めなかった。脈絡膜新生血管を伴う疾患に対し、抗新生血管を狙った遺伝子治療は有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] AAV ベクター(8型)による脈絡膜新生血管に対する遺伝子治療2009

    • 著者名/発表者名
      五十嵐勉、三宅弘一、増田郁也、島田隆、高橋浩
    • 学会等名
      日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-04-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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