研究概要 |
エストロゲン、キマーゼの培養家兎網膜ミュラー細胞のコラーゲン産生に対する影響について、次に示す方法で検討を行った。 成熟家兎を安楽死させ、眼球摘出後に半切し感覚網膜を剥離除去した後、0.1%トリプシン+0.2%ヒアルロニダーゼ+4%チキンシーラム液で45分インキュベートした。20%FBS+DMEM+Ham培養液を適量添加した上でホモジネートし、ミュラー細胞を培養し、継代を繰り返し、コンフルエントになった同細胞をマイクロプレート上のウェルに植え込み, 一昼夜静置した同細胞を5%ホルマリン・リン酸緩衝液で固相化した。コラーゲン定量のための酵素免疫法では, 一次抗体として抗ヒトコラーゲンウサギ抗体を固相化された細胞に37℃、5%CO2下で30分間反応させ、二次抗体にはアルカリホスファターゼ標識抗ウサギIgGヤギ抗体を使用し、同様に37℃、5%CO2下で30分間反応させた。発色基質としてパラニトロフェニルリン酸を使用し、反応後に生じた発色物質をマイクロプレート吸光度計で測定し、コラーゲンの定量を行った。培養液にはエストロゲン、キマーゼをそれぞれ添加した場合、またエストロゲンとキマーゼを添加した場合においてミュラー細胞のコラーゲン産生に対する影響について調べた。培養液にエストロゲンのみ、キマーゼのみ、エストロゲンとキマーゼの双方を添加した場合において、V型コラーゲンの産生ぶ最も多く、次いで1型コラーゲンの産生が認められた。培養液にエストロゲンやキマーゼを添加しなかった場合と比較して多くのコラーゲンを産生する傾向がみられたが、有意な差は認められなかった。
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