研究概要 |
モトプシンの中枢神経系での機能を考察するために,顔面神経の軸索損傷モデルを用いて,発現をin situ hybridizationによって検討した。 マウスの顔面神経損傷モデルを作成し,実験を行った。10週齢のマウスを用いて,マウス片側顔面を切開し,耳下腺前縁部で顔面神経を露出した。Facial nerve Zygomatic br.と Buccal br.とを剪刀にて切断した。損傷された場合は,ひげを動かすことができなくなり,損傷されたかどうかを判別することができる。切断後,即時に顕微鏡下にナイロン糸で神経縫合を行い,再生させることとした。術後1,2,3,5,7,9,12週目において,それぞれ灌流固定したのち脳を摘出し,DIG-label(ジゴキシゲニン標識の)in situ hybridizationを行い,Motopsin,neurosinおよびGAP-43の顔面神経核での発現を観察した。 その後の解析ではmotopsinは損傷後徐々に顔面神経核でのmRNAの発現が減弱した。一方neurosinは徐々に発現が誘導された。GAP-43は発現が非常に強く誘導された。このことから神経機能不全や軸索損傷時はmotopsinの発現は減弱し,neurosin,GAP-43の発現は増強することが示唆された。
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