脚毛の起きたIFN-γKOマウスに、発毛を誘導する系として、我々はC57BL/6マウスに同種異系細胞である腫瘍細胞(Meth-A)を、腹腔内注射することによって得られた浸潤細胞(注射後3-4日目)を、IFN-γKOマウスの腹腔内に注射すると、脱毛部の発毛を誘導できる実験系を確立した。この発毛誘導において、IFN-γ存在下に、同種移植片により誘導された発毛を促進するF4/80+細胞と抑制するLy-6C+細胞が、産生するサイトカインの関与が、それぞれ示唆された。これらの細胞による発毛誘導機構を調べるために、Diffusion Chamber(日本ミリポア)、本学共同機構に設置されているCell Sorter(BD)を利用して、細胞自体が発毛制御因子を誘導しているのか、これらの細胞と腹腔内細胞との相互作用が更に必要なのかを調べたが、細胞活性が低く発毛誘導にいたらなかった。IFN-γ存在下に同種移植片により誘導された腹腔細胞を、Cell Sorter(BD)で回収時に、細胞活性低下をきたすことがわかり、現在Cell Sorter(BD)で回収後のF4/80+細胞、Ly-6C+細胞それぞれの細胞活性を確認しながら、Cell Sorter(BD)回収時の細胞活性低下を防ぐ工夫を行っている。結果、F4/80+細胞、Ly-6C+細胞それぞれの細胞自体が発毛制御因子を誘導している可能性が示唆された。
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