研究概要 |
アディポサイトカイン、ミオカインが創傷治癒にどのように関わっているかについて、研究した。 まず、リコンビナント蛋白のKeratinocyte, Fibroblastへの添加実験を行った。顕微鏡下の観察においては細胞の形状に変化は認められなかった。またReal time PCRにて、Involculin, Keratin1, 10,bFGF, IL1A, B, IL6, IL8, MMP1,2, VEGFReceptor1, 2,3,VEGFA,B,C,D,IntegrinA3,B3,IntegrinVといった創傷治癒や分化等にかかわる遺伝子発現について調査したが、いずれの遺伝子においても現在のところ発現量変化が認められなかった。 次に同様にリコンビナント蛋白の添加実験を行った後、Lysateを回収して、シグナル伝達経路を調査したところ、ヒトkeratinocyteのcell lineであるHaCaT細胞においてアディポネクチン添加で濃度依存性にAMPKのリン酸化を阻害し、またMAPKのリン酸化を促進することが認められた。 動物実験では肥満糖尿病モデルとしてKKAyマウスを用いて、創傷治癒の観察を行った。高カロリー食を3ヶ月間食べさせた群では、普通食を食べさせた群と比べて、血中のアディポネクチン量に有意な低下が見られ、高カロリー食を食べさせたマウスの創傷治癒は遷延することを確認している。 創傷部分の組織学的検討では、マウスkeratinocyteにアディポネクチンが集積していることを確認している。
|