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2008 年度 実績報告書

アディポサイトカイン、ミオカインの糖尿病性創傷治癒遅延への影響

研究課題

研究課題/領域番号 19791323
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

河合 建一郎  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80423177)

キーワード移植・再生医療 / 糖尿病 / 外科
研究概要

ヒトkeratinocyteのCell LineであるHaCaT Cellに対し、アディポサイトカインの一種であるAdiponectinの添加実験を行い、細胞増殖・分化、さらにApoptosisへの影響を観察した。その結果、Adiponectinは、HaCaT CellのBrdUの取り込みを用量依存的に阻害しており、増殖を抑制していた。またReal Time PCRにてHaCaT CellのmRNA量を計測したところ、keratinocyteの分化マーカーであるinvolucrinの発現が用量依存的に抑制されることがわかった。さらに、TGF β1, 2, 3のmRNAも用量依存的に変化しており、TGF β1がadiponectinの添加によって発現が増加するのに対し、TGF β2, 3は発現が低下していた。
Apoptosisへの影響としてTUNEL assayを行い、adiponectinが用量依存的にKeratinocyteのApoptosisを促進していることがわかった。
糖尿病では足底の潰瘍において上皮化が進まない一方、周辺に分厚い胼胝を生じたり、逆に胼胝が原因となって足底潰瘍を生じることがある。これらはkeratinocyteの異常増殖・分化やApoptosisの過程が正常に行われないことから生じると考えられる。一方、糖尿病ではAdiponectinの血中濃度が低下することは以前より知られている。本研究により、糖尿病における低Adiponectin血症が、足底の胼胝を惹起させたり、潰瘍の上皮化を妨げている可能性が示唆された。これは糖尿病における潰瘍に対して、軟膏などによるAdiponectin局所投与といった新たな治療法の可能性を示すものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of adiponectin on growth and differentiation of human keratinocytes--implication of impaired wound healing in diabetes2008

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Kawai, Akiko Kageyama, et.al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 374

      ページ: 269-273

    • 査読あり
  • [学会発表] アディポネクチンのKeratinocyteへの影響2008

    • 著者名/発表者名
      蔭山晶子、河合建一郎、妻野知子、西本聡、福田健児、横山茂和、小熊孝、藤田和敏、吉本咲哉、柳井亜矢子、垣淵正男
    • 学会等名
      第17回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-10-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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