【平成19年度の計画であった中大脳動脈の一過性閉塞における造影CTに関して】 本年までの研究(若手(B)平成17-18年度)により確立した、一過性脳虚血モデルにおいて、再還流後に、同じく外頚動脈から内頚動脈へのカテーテル挿入状態で経動脈的にヨード造影剤を注入しCTの撮影を行った。また、中大脳動脈の塞栓における血流の低下を確認するために中大脳動脈閉塞下に造影剤の全身投与(心腔内投与)を行い、頭蓋内における血流の左右差を比較した。 結果は、閉塞中には患側の造影効果は有意に減弱していた。また再還流後の経動脈投与では患側に造影効果が高くなっていることが確認でき、細胞や薬剤の経動脈内投与の有効性の可能性が示唆された。これについては論文投稿準備中である。 また移植細胞の動向に関して、トランスジェニックマウス(CAG-GFPマウス)をドナー細胞としてラベルし、移植後早期(30分)に移植細胞の生着を確認したところ、脳内には確認できず、肝臓・肺・牌臓での細胞が確認された。頭蓋内には生着せずに、脳内のレシピエントの細胞を刺激し、血管新生を促進している可能性が考えられた。またレシピエントとしてトランスジェニックマウス(CAG-GFPマウス)を用いて、野生型からの骨髄由来細胞を移植し、新生された血管内皮細胞がレシピエント由来であることを確認中である。これが確認できれば、上記(新生血管はドナーの細胞由来ではなく、ドナーの細胞に刺激されてレシピエント由来の細胞から作られる)の裏付けができると考えられる。
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