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2009 年度 実績報告書

抗ハードケラチン抗体作製と幻影細胞の発現メカニズム解析およびその意義

研究課題

研究課題/領域番号 19791348
研究機関明海大学

研究代表者

田中 章夫  明海大学, 歯学部, 助教 (30406392)

キーワード石灰化嚢胞性歯原性腫瘍 / 歯牙腫 / 毛母腫 / 頭蓋咽頭腫 / 幻影細胞 / 陰影細胞 / hard keratin / Wntシグナル伝達経路
研究概要

幻影細胞あるいは陰影細胞は角化異常細胞といわれ,歯原性腫瘍である石灰化嚢胞性歯原性腫瘍(石灰化歯原性嚢胞)や歯牙腫,毛母細胞に由来する毛母腫(石灰化上皮腫),および下垂体腫瘍であるエナメル上皮腫型頭蓋咽頭腫に出現する.本研究では,独自に作成したhair proteinsに対する抗体を用い、幻影細胞および陰影細胞の出現におけるWnt/β-catenin経路(canonical経路)の関与について免疫組織化学的に検索した.その結果,いずれの腫瘍においても幻影細胞および陰影細胞はhair proteinsに対する抗体に強い陽性反応を示し,これらの細胞の細胞質にhard keratinの高度な局在が示された。移行細胞を有する毛母腫を除いて,石灰化嚢胞性歯原性腫瘍,歯牙腫およびエナメル上皮腫型頭蓋咽頭腫における幻影細胞や陰影細胞の出現様式は突然であり,移行形態を有しない点で同じであった.β-cateninは幻影細胞および陰影細胞周囲にみられる上皮細胞や好塩基性細胞の核および細胞質に強い発現を認め,細胞膜にもその局在を認めた.また毛母腫では移行細胞の一部にもβ-cateninの発現がみられた.この核および細胞質におけるβ-cateninの異常集積には,cadherin,APCおよびβ-cateninの変異が関与していることが推察された.また,同様の細胞においてLef-1の発現を核に認めたことから,これらのhard keratin腫瘍では,腫瘍細胞の細胞質においてβ-cateninの集積が増加し,核内へ移行することによってLef-1と結合し,hair proteinのプロモーター領域の転写活性が生じてhard keratinの産生が増加した結果.幻影細胞または陰影細胞が形成されることが考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Enhanced expression of podoplanin in ameloblastomas2010

    • 著者名/発表者名
      Patricia Gonzalez Alva
    • 雑誌名

      J Oral Pathol Med 39

      ページ: 94-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Significance of podoplanin expression in keratocystic odontogenic tumor2010

    • 著者名/発表者名
      Okamoto Eri
    • 雑誌名

      J Oral Pathol Med 39

      ページ: 103-109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mucinous adenocarcinoma of minor salivary glands : a high-grade malignancy prone to lymph node metastasis2009

    • 著者名/発表者名
      Ide Fumio
    • 雑誌名

      Virchows Arch 454

      ページ: 55-60

    • 査読あり
  • [学会発表] Detection of podoplanin expression in ameloblastomas : an immunohistochemical study2009

    • 著者名/発表者名
      Patricia Gonzalez Alva
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      20090501-20090503

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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