• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

歯根膜上皮細胞-免疫担当細胞間の相互作用と、異質性細胞集合体の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19791356
研究機関松本歯科大学

研究代表者

田所 治  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (20319106)

キーワードマラッセの上皮遺残 / OX6免疫陽性細胞 / 線維芽細胞 / 歯根膜 / 相互作用 / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡
研究概要

生後約6週齢のWistar系ラットを用いて、歯根膜上皮細胞集合体の微細形態的解析と、上皮細胞一免疫担当細胞間の相互関係の解析を行ったところ、以下の観察所見を得た.
(1) ラット上顎臼歯部のマラッセの上皮遺残(以下単に上皮細胞塊と記す)は、6週令にて上皮細胞の集団の形成が完了していた.
(2) 上皮細胞塊は、主に歯頸部と歯根の分岐部の歯根膜に分布を示す一方で、OX6免疫陽性細胞は細長い細胞質突起を四方に伸長しており、歯根膜に広く分布していた.
(3) まれにではあるが、複数のOX6免疫陽性細胞が、上皮細胞塊周囲を、囲むように取り巻いていたため、両細胞を電子顕微鏡によって、さらに詳細に観察を行った.
(4) 電子顕微鏡による観察では、上皮細胞塊と、その細胞塊を取り巻いていた複数のOX6免疫陽性細胞は、小さな棘突起をお互いに伸長しながら噛み合っていた.上皮細胞塊の内部には、OX6免疫陽性細胞の細胞質突起が入り込んでいた.また、上皮細胞にはlysosomeが観察されたものの、接触していたOX6免疫陽性細胞には多形性を認めた.上皮細胞と、その上皮細胞に接触したOX6免疫陽性細胞には、貪食されたような所見は観察されなかった.また、OX6免疫陽性細胞は、上皮細胞との接触を示す一方で、線維芽細胞とも接触していたことが観察され、線維芽細胞の接触表面と細胞質内部には、豊富なカベオラや小胞体が観察された.
以下の研究結果から、ラットの歯根膜では、1)上皮細胞とOX6免疫陽性細胞の相互作用、2)OX6免疫陽性細胞と線維芽細胞の相互作用、および、3)OX6免疫陽性細胞を介した、これら3種の異なった細胞、すなわち、上皮細胞-OX6免疫陽性細胞-線維芽細胞間の複雑な相互作用の存在が示唆された.これらの相互作用は、その組織学的位置関係から、セメント芽細胞への分化と制御に関与する可能性もあり得るものと考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Epithelial cell rests of Malassez and OX6-immunopositive cells in the periodontal ligament of rat molars: A light and transmission electron microscope study2008

    • 著者名/発表者名
      Osamu Tadokoro
    • 雑誌名

      The Anatomical Record: Advances in Integrative Anatomy and Evolutionary Biology 291

      ページ: 242-253

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット歯根膜におけるOX6免疫陽性細胞とマラッセの残存上皮2007

    • 著者名/発表者名
      田所治
    • 学会等名
      第49回歯科基礎医学会学術大会ならびに総会
    • 発表場所
      札幌(北海道大学)
    • 年月日
      2007-08-30
  • [備考]

    • URL

      http://www3.interscience.wiley.com/journal/117927936/grouphome/home.html

  • [備考]

    • URL

      http://www.ibmd.jp/jaob49/main.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi