Candida albieansの遺伝子CaMSI3の環境変化に対する特異的な遺伝子発現パターンから、環境応答シグナルとして働いているか、あるいはそのシグナル伝達経路に関係して何らかの働きを担っているというCaMSI3の機能仮説を立てた。それを検証するために、テトラサイクリン応答性プロモーター導入組換え体を構築し、形態変換誘導条件下での形質発現の評価と多様性を解明してこれを完成させることを本研究の目的とした。 C.albiealtsの組換え体の構築法として通常用いられるURM3-blasterカセット法は、2回の形質転換が成功する確立が非常に低く、ターゲット遺伝子が必須遺伝子の場合には2回目の形質転換後のクローニングができないといった問題点がある。また、LRA3欠損のため感染実験が出来ない。本研究ではこれらの問題点を考慮し、Nakayamaら(lnfection and Immunity 2000)が開発したテトラサイクリン(TET)応答性プロモーターを組み込んだ組換え体を構築することとした。 ターゲット遺伝子CaMSI3はカンジダゲノムデータベースによりC.albicans R染色体に3アレル存在すること力明らかであるため形質転換を3回行わなければならない。本年度は、最初の2回の形質転換に必要となるURA3破壊カセット(hisG-CaURA3-hisG)を作製した。このDNA断片をPCR法により増幅、精製し電気泳動を行ってカセットが作製できたことを確認した。
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