研究課題
ペリオスチン遺伝子のメカニカルストレス依存的骨形成における役割を解明するため、マウス脛骨に対する荷重負荷装置を用いて、ペリオスチン遺伝子欠損マウスの脛骨に荷重負荷を与え、負荷による骨形成促進を定量解析した。その結果野生型マウスでは負荷に応じて骨外膜での骨形成が活性化されたが、ペリオスチン遺伝子欠損マウスでは週齢依存的に負荷依存的な骨形成活性化が低下していた。骨外膜組織を詳細に解析した結果、ペリオスチン遺伝子欠損マウスでは週齢存的に細胞外マトリックス構造の軽度な乱れが認められた。これらの結果は、骨外膜の細胞外マトリックス構造とメカニカルストレス感知・応答機構に密接な関係があることを示している。さらに、分子レベルでの解析を進めるため、ペリオスチンタンパク質と相互作用する分子の探索を行った。その結果、ペリオスチンにはこれまでに報告されていたフィブロネクチンタンパク質以外にも、新たにテネイシンタンパク質を含め、複数の相互作用分子があることが判明した。現在は、上記の新規相互作用分子とペリオスチンの関連や、in vivoの結果から得られた細胞外マトリックス構造の乱れの原因を解析している。これらの解析を踏まえ、メカニカルストレス感知機構の分子レベルでの実体解明を目指す。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
The Journal of Experimental Medicine 205(2)
ページ: 295-303