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2008 年度 実績報告書

咬合力調節に関与するγ運動系神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19791363
研究機関大阪大学

研究代表者

齋藤 充  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (50347770)

キーワード三叉神経運動核 / 三叉神経中脳路核 / 運動単位の動員 / 咀嚼筋 / 筋紡錘 / α運動ニューロン / γ運動ニューロン / α-γ連関
研究概要

1. 三叉神経中脳路核(MTN)および三叉神経運動核(TMN)を同時に含むラット脳幹スライス標本上を作成し、MTNからTMNへの入力線維の経路と考えられるTMNの背内側部に置いた刺激電極で100Hz、10発の連続敬小刺激を与え、TMN内にある大きさの異なる2つの運動ニューロンからホールセル電流固定同時記録を行なった。刺激強度を徐々に上げていくと、入力抵抗(外向き電流パルスに対する電位応答の振幅から求めた)の大きい、つまり、サイズの小さい運動ニューロンから先に発火し始め、連続刺激に対する発火頻度もより高かった。このことから、TMN運動ニューロンは、MTNからの興奮性入力により、サイズの原理に基づいて動員されることが示唆された。2. 1と同様の標本を作成し、膜電位感受性色素RH414を負荷した上で、TMN背内側部の連続微小刺激を行ない、TMNニューロンブールの興奮を光学的に測定した。連続する刺激列の後ろへ行く程、TMN背外側部閉口筋運動ニューロンプールに観察される応答(光学信号)の領域は大きくなり、最終的にはTMN背外側部全体にわたった。このことから、MTNからの興奮性入力は閉口筋運動ニューロンプール全体を支配し、動員される運動ニューロン群は興奮性入力の頻度に依存することが示唆された。3. TMN運動ニューロンからホールセル電位固定記録を行ないながら、TASK型漏洩K^+チャネルを制御する8-Br-cGMP(Kang et.al. 2007, Toyoda et.al.2008)やバリウム投与に対する電流応答を観察した。その結果、TMN運動ニューロンにはTASK-1およびTASK-3が混在し、NO-cGMP-PKG系の活性化によってTASKチャネルが制御されることで細胞の入力抵抗が変化し、運動ニューロンの動員様式が修飾される可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] cGMP activates a pH-sensitive leak K^+ current in the presumed cholinergic neuron of basal forebrain2008

    • 著者名/発表者名
      Toyoda, H., et.al.
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology 99

      ページ: 2126-2133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential columnar processing in local circuits of barrel and insular cortices2008

    • 著者名/発表者名
      Sato, H., et.al.
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience 28

      ページ: 3076-3089

    • 査読あり
  • [学会発表] 三叉神経中脳路核ニューロンが示す二つの機能モードとその電位依存的スイッチング2008

    • 著者名/発表者名
      齋藤充, 他
    • 学会等名
      第50回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      TOC有明コンベンションホール(東京)
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] 三叉神経中脳路核ニユーロンにおけるグルタミン酸受容体チャネルに対するhチャネルの干渉作用2008

    • 著者名/発表者名
      齋藤充, 他
    • 学会等名
      第101回近畿生理学談話会
    • 発表場所
      国立循環器病センター(大阪)
    • 年月日
      2008-09-13
  • [学会発表] PKC- and Ca^<2+>-dependent recovery from use-dependent depression of GABA_A responses in rat mesencephalic trigeminal neurons2008

    • 著者名/発表者名
      Saito, M., et.al.
    • 学会等名
      第6回欧州神経科学会フォーラム(The 6th Forum of European Neuroscience)
    • 発表場所
      パレキスポカンファレンスセンター(スイス・ジュネーブ)
    • 年月日
      2008-07-13
  • [図書] 生命歯科医学のカッティングェッジ(米田俊之編)2008

    • 著者名/発表者名
      姜英男, 他
    • 総ページ数
      289(157-166)
    • 出版者
      大阪大学出版会
  • [備考]

    • URL

      http://www.dent.osaka-u.ac.jp/-phys/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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