ヒト間葉系幹細胞(MSC)が分泌する機能未知のペプチドSCRG1に着目し、MSCの分化における役割を解析した。その結果、SCRG1がインテグリンを介して骨分化を抑制する可能性が示された。さらに、SCRG1はMSCの浸潤を促進する結果も得られた。MSCの浸潤は、ケモカイン受容体等によって制御されることが知られている。SCRG1はその分子中に多くのシステイン残基を有する。このような特徴はケモカインに共通した特徴であり、SCRG1がMSCの骨分化のみならず、細胞の浸潤にも関与することが強く示唆された。
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