研究概要 |
研究課題(B)「ヒト培養骨芽細胞の分化・増殖に対するLysophosphatidyl acid (LPA)の新規な作用」において、骨芽細胞および破骨細胞に対するprostaglandin (PG)E_2の作用については数多く報告されているが、アラキドン酸合成経路から同時に産生されるLPAの骨芽細胞に対する作用については、殆ど報告されていない。そこで本研究において、骨芽細胞に対するLPAの生理作用およびその作用機構について検討したところ、LPAはヒト骨芽細胞においてIL-6およびIL-8産生を促進することが明らかとなった。またその作用機構としてLPA1受容体に作用し、phospholipase Cおよびinositol 1,4,5-triphosphate (IP_3)誘導性細胞内カルシウム濃度上昇を介してこれらの産生を促進していることを示唆した。炎症性サイトカインであるIL-6およびIL-8は骨代謝において強力な骨吸収促進因子であり、今後、LPAの骨吸収に対する生理作用についても探求する必要があると考えている。以上に関する研究内容をArchs. Oral. Biol. 53,2008,207-213.にて報告した。
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