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2008 年度 実績報告書

IL-18を用いたヒト骨肉腫に対するサイトカイン療法の有効性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19791388
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

山根木 康嗣  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00434944)

キーワード骨肉腫 / Valproic acid / Fas / soluble Fas
研究概要

4種類のヒト骨肉腫細胞株(OS)を用いIL-18がOSに直接影響を及ぼすか検討したが、細胞増殖mRNAおよびタンパク発現レベルでFasの発現には全く影響をおよぼさず、sFasの分泌においても対照群に比して変化はみられなかった。次に4種類のOSを用いhistone deacetylase inhibitor (HDACI)であるsodium valproate(VPA)がOSのFasL抵抗性に及ぼす影響を検索した。VPAは全てのOSに対して濃度依存的に細胞増殖を有意に抑制し、その抑制機序はG1期およびG2/M期における細胞周期の拘束によるものであった。VPAはOSの細胞膜Fasの発現には影響を及ぼさないか減少傾向を示した。また細胞膜Fas ligand (FasL)の発現においても同様の結果であった。しかしVPAの前処置はFas抗体(CH-11)によるOSのapoptosisをVPA濃度依存的に増加させ、そのメカニズムはCaspase8と3の活性によって証明した。さらにVPAはOSによる分泌型Fas(sFas)の分泌を抑制し、これらはTSAでも同様の結果を得た。以上の結果よりVPAはsFasの分泌を抑制し、FasLに対する感受性を増加させ、OSの免疫細胞抵抗性を減弱させることがin vitroで示された。またこれらはVPAのみならず、TSAでも同様の結果を得たことから、HDACIの効果の一つであることが示唆される。VPAはすでに抗てんかん薬として現在広く臨床応用されており、安全性・至適濃度はすでに確認されている。今回使用した濃度はその範囲内であることから、人体への影響が少なく、OSの治療に応用可能であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Sodium valproate, a histone deacetylase inhibitor, decreases the secretion of soluble Fas by human osteosarcoma cells and increases their sensitivity to Fas-mediated cell death

    • 著者名/発表者名
      Koji Yamanegi, Junko Yamane, Masaki Hata, Hideki Ohyama, Naoko Kato-Kogoe, Hiroyuki Futani, Keiji Nakasho, Haruki Okamura and Nobuyuki Terada
    • 雑誌名

      Journal of Cancer Research and Clinical Oncology (採択済み)

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト骨肉腫細胞の免疫療法抵抗性に対するhistone deacetylase inhibitorの効果2008

    • 著者名/発表者名
      山根木康嗣, 山根順子, 秦正樹, 大山秀樹, 山田直子, 中正恵二, 寺田信行
    • 学会等名
      第97回日本病理学会総会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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