研究概要 |
酸化チタン粉末のレーザ光吸収特性を調べるため,フォトダイオードと積分球を組み合わせた吸収率測定装置を製作して,各条件におけるレーザ光の吸収率を調べた結果,用いた手法では酸化チタン粉末に対して2%程度しかレーザ光が吸収されず,レーザ照射条件を変えても大きな差違が見られないことが明らかとなった.そこで,酸化チタン粉末にレーザ照射したときの特性について,酸化チタン粉末を介して材料表面をレーザ加工したときの特性を調べることで代替評価を行った.評価材料として石英ファイバを用い,酸化チタン粉末を介しながらレーザ照射したときの各条件と加工性について評価した.その結果,レーザ光の照射条件や酸化チタン粉末の濃度によって,材料表面の加工性に違いが見られることが明らかとなった.また,ジルコニア粉末や酸化マンガン粉末との加工性を比較し,酸化チタン粉末のレーザ加工性が優れていることがわかった. 歯質表面にレーザ光を照射したときの表面温度について,開発したファイバ導光型赤外線輻射温度計を用いて測定を行い,レーザ照射条件と温度の関係について調べた.その結果,レーザエネルギや照射回数を変えることで測定温度に違いが見られることが明らかとなった.しかしながら,赤外線輻射温度計の温度校正方法に課題を有していることが明らかとなったため,次年度以降,その課題解決に向けた実験を行っていく予定である. 歯質表面にレーザ照射したときの衝撃加速度について,加速度ピックアップを用いて測定を行った結果,レーザ照射に起因して材料内部に衝撃加速度が生じることが明らかとなった.レーザ照射条件とレーザ誘起衝撃力との関係や,酸化チタン粉末の有無による衝撃力の変化については,次年度以降継続して評価する予定である.
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