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2007 年度 実績報告書

象牙質歯髄複合体培養系を用いた温度痛覚受容体の発現とそのメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 19791404
研究機関鹿児島大学

研究代表者

達山 祥子  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70347095)

キーワード象牙質知覚過敏症 / 象牙芽細胞 / 温度感受性イオンチャンネル / 免疫染色法
研究概要

象牙質知覚過敏症において、動水力学説(歯の根面の露出等により、象牙細管の入り口が開口し、外部刺激により象牙細管内溶液が動くことにより、歯髄や内層象牙質に存在する自由神経終末を機械的に刺激し、痛みを誘導する説)が現在最も広く受け入れられているが、この説だけでは十分に説明できない部分もまだ残っている。最近では、象牙芽細胞自身が感覚受容細胞としての機能を持ち、外部からの刺激を痛覚神経線維に伝えるという象牙芽細胞受容器説が徐々に研究されつつある。求心性の感覚神経には6つの温度感受性イオンチャンネルがあり、それらは異なる温度帯を閾値としている。熱刺激を感受するものではVR-1(>43℃)、冷刺激を感受するものではTRPM8(<25℃)があげられる。われわれは、これまでにVR-1がヒト歯髄細胞において発現すること、また温熱刺激によりVR-1が活性化し歯髄炎を増悪する可能性があることを明らかにした。今年度、われわれは、温度感受性イオンチャンネルが、歯における冷刺激の引き起こす痛みや、知覚過敏症に関わっている可能性について検討するために、冷刺激感受性受容体であるTRPM8の発現を、歯髄細胞、象牙芽細胞およびラット歯髄の横断薄切標本を用いて検討した。その結果、1.ヒト歯髄細胞およびラット象牙芽細胞(OLC)においてTRPM8 mRNAの発現が認められた(RT-PCR法)。2.ヒト歯髄細胞およびOLCにおいてTRPM8の発現がタンパクレベルにて認められた(ウェスタンブロット法)。3.歯髄組織外層の象牙芽細胞において、DMP-1、DSPおよびTRPM8の発現が確認された(免疫染色法)。以上の結果より、冷刺激感受性受容体であるTRPM8はヒト歯髄細胞および象牙芽細胞において発現しており、歯における冷刺激の引き起こす痛み、知覚過敏症において何らかの役割を担っている可能性があると考えられる。今後は、TRPM8の機能についても解析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 歯髄および象牙芽細胞における冷刺激受容体TRPM8発現の検討2007

    • 著者名/発表者名
      達山 祥子
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2007年度春季学術大会(126回)
    • 発表場所
      埼玉県大宮市
    • 年月日
      2007-06-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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