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2008 年度 実績報告書

接着性レジン成分刺激による歯髄細胞への細胞死誘導と刺激後の細胞増殖能回復の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19791407
研究機関九州歯科大学

研究代表者

矢野 淳也  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00347676)

キーワード歯髄細胞 / 細胞増殖能 / 接着性レジン成分 / アポトーシス
研究概要

前年度に引き続き当該年度においても、充填用コンボココットリジンに使用されるBis-GMA用いて, ヒト歯髄由来細胞株(LSC2細胞)へのレジン成分刺激による細胞増殖能への影響を検討しだ. 昨年度は直接歯髄細胞へBis-GMAを作用させてその影響を検討したのに対し, 今年度は歯髄に近接した窩洞への適用を想定して検討をおこなった. すなわち, 窩洞形成後の窩底部という想定で象牙質通過モデルを作成し, 象牙質を通過するBis-GMA量を高速液体クロマトグラーィフンー(HPLC)を用いて計測した. その結果, Bis-GMAが象牙質を通過して歯髄側へと浸透することが確認された. ただし, 結果から導き出されたBis-GAMの通過量は極めて微量であり, 象牙質がBis-GAM刺激を遮断する障壁の役割を示していることが示唆された. また歯髄側で測定されたBis-GMA濃度は, 昨年の研究から明らかとなった, Bis-GMAが歯髄細胞へ及ぼす抑制的な影響(細胞周期および細胞増殖能への変化)が確認されたBis-GMA濃度より低かった. これらの結果から導き出される結論および考察は, 以下の通りである.
・ヒト歯髄細胞はBis-GMAの影響を受け, 濃度依存的に細胞増殖能が低下する. また, sub-G1期の増加といった細胞周期に変化が生じ, 組織学的観察からもアポトースが誘導されていることが示唆される.
・一定濃度以下のBis-GMA刺激を受けた細胞も回復期間を経ることで、通常の細胞に近い細胞増殖能や細胞周期を示す状態へと変化する可塑性を有することが示された.
・窩底部に十分な残存象牙質厚さが確保されている場合, Bls-GMA刺激は象牙質で大きく減弱され, 歯髄へ抑制的な作用がおよぶ可能性は低いと考えられる.

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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