研究概要 |
我々の研究目的の一つであるインプラント即時負荷用上部構造製作用CAD/CAMシステムの開発のためには,術前のシミゴレーションに対して正確にインプラント体を埋入することが不可欠である.我々がこれまでに開発を行なってきたインプラント手術支援システムは,最初のドリルのみをガイドし後の埋入窩拡大はフリマハンドで行なうものであり.シミュレーションに対して約0.3mmの誤差で埋入窩を形成することが可能であった.しかし,事前に作製した即時負荷用上部構造を適合良く装着するためには,さらに正確なインプラント体の埋入が望まれる. そこで,今年度はさらに高い精度でインプラント手術を行なうことができる手術支援システムめ開発を行い,精度実験によりシステムの有用性を確認した. 今回開発したシステムは,最初のドリルだけでなくすべてのドリルおよび,インプラント体の埋入までをガイドするものであり,複数の孔系の違うサージカルガイドを交換しながら手術を行なうサージカルガイド交換方式と,一つのサージカルガイドを骨上固に定し,内側のガイドチューブのみを交換しながら手術を行なうドリルガイドチューブ交換,方式の二つのシステムである。 豚下顎骨を使用した埋入窩形成精度実験では,サージカルガイド交換方式,ドリルガイドチューブ交換方式ともにシミュレーションに対して約0.1mmの誤差であり,最初のドリルのみをガイドする以前の方式に比べて有意に誤差が小さかった. このような高精度の手術支援システムの開発は,インプラント即時負荷用上部構造製作用CAD/CAMシステムにとって非常に重要であり,今後の開発に有用である.
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