本年度は準備期間とし、まずは犬の顎骨にインプラントを介して荷重を加えた際の骨の応答を明らかにした。すなわち、犬の下顎小臼歯部を抜歯し、無歯顎部を得、3ヶ月間の治癒期間の後に、インプラントを埋入し、3ヶ月後に上部構造を装着した。上部構造は近心部と遠心部の2っの機構からなり、近心部に付与した荷重負荷装置を用いて遠心部のインプラントに静的荷重を1カ月の問加えた。荷重負荷期間中は蛍光色素を動物に筋肉注射し過重に対する骨の応答を評価した。荷重負荷後、動物を屠殺しホルマリン固定を行った後にレジン包埋し切片標本を得た。その後、蛍光色素顕微鏡にて蛍光色素染色像をパソコンに取り込みイメージJを用いて定量的に蛍光色素染色部を計測した。その結果、インプラントスレッド頂部を結ぶエリア内の骨で蛍光色素染色部が多くみられた。このことは今まで報告がなかったことから新たな知見を得たといえよう。本年度は静的荷重を250μmとして与えたが、来年度は125μmおよび60μmをい与え、さらには上部構造に動的荷重を与えた際の骨の応答を明らかにすることを考えている。これにより追加埋入の骨質改善法の確立のための基礎的知見が得られると考える。
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