研究概要 |
1. 接着ブリッジにおける接着界面の最大せん断接着強さと疲労限界を比較することを目的としてせん断荷重試験を行った.金属は12%金銀パラジウム合金を用いた.表面処理はアルミナサンドブラストのみとサンドブラスト後チオン系誘導体モノマーを含むプライマーを塗布したものの2種とした.処理後に規制した面と4META/MMA-PMMA系またはコンポジット系レジンセメントと接着し完成試料とした.熱サイクル10,000回後の値を算出し比較を行った(n=6),その結果サンドブラストのみではレジンセメント間でMMA-PMMA系2.1MPa,コンポジット系26.3MPaと材料間で大きな差を認めたがプライマー処理併用群はMMA-PMMA系33.4MPa,コンポジット系31.1MPaで有意差はなかった.装着材料と表面処理の組み合わせに注意する必要性が示唆された. 2. 機能性モノマー分子の耐久性を検討する目的で,熱サイクル後のせん断試験後の破断面に対して分析した.金属は純チタン,表面処理はアルミナサンドブラスト+リン酸エステル系モノマー(MDP),高分子材料はMMA-PMMA系レジンセメントを用いた.熱サイクル10,000回付与後せん断試験を行い,その破断面を分析した.破断直後の表面分析の後,分析を行った.表面分析をチタン,酸素,炭素,リンに対して行った.リン(P)はエッチング前には0.25%であったがエッチングを行うことで増加した.このことはMDPに含まれるPを感知したと思われ,熱サイクル負荷による破断がモノマーの金属反応部ではなく中間層で起こっている可能性が示唆された.
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