研究概要 |
本研究では各種癌細胞株を用いて、エピジェネティクス制御剤(SAHA、ZEB)と各種抗癌剤(5-Fu、CDDP)を併用し、抗腫瘍効果と、血管新生因子の産生について解析した。抗癌剤単独処理に比較し、エピジェネティクス制御剤を併用することで、アポトーシスが増強する一方で、血管新生因子(VEGF-A, VEGF-C)の産生を抑制した。この抑制メカニズムとして、ZEBによるHIF-1aの分解と、また、エピジェネティクス制御剤によるVEGFの抑制が、抗癌剤誘導性のアポトーシス増強に直接関与しているわけではないことが示唆された。エピジェネティクス制御剤は口腔癌の薬剤感受性増強や癌の血管新生抑制に有効であることが示唆された。しかし、エピジェネティクス制御剤の効果は、併用する抗癌剤の種類、細胞種により異なり、抗癌剤の代謝や抗腫瘍効果の作用機序に依存していることが推察され、臨床応用に向けて、更なる解析が必要である。
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