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2008 年度 実績報告書

幹細胞を用いた骨再生医療におけるWntシグナルの影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19791504
研究機関名古屋大学

研究代表者

片桐 渉  名古屋大学, 医学部・附属病院, 医員 (10437030)

キーワード骨再生医療 / 幹細胞 / Wntシグナル / 歯髄幹細胞 / 乳歯歯髄幹細胞 / 再生医学 / 歯学 / MSC
研究概要

未分化間葉系幹細胞(MSCs)を用いた骨再生医療はすでに臨床現場において実用化されている。本研究ではMSCsの培養過程において、幹細胞の増殖・分化において中心的な役割を果たしていると考えられるWntシグナルを制御することにより、より短期間でMSCsを増殖させ、かつ早期に骨分化を誘導することを目的とした。
本研究ではまず、骨髄由来MSCsを用い実験を行った。Wntシグナルを賦活する塩化リチウムを添加して培養を行ったところ低濃度の塩化リチウムの添加は細胞倍加時間やBrdUの取り込みにおいて有意に増加を示し、MSCsの増殖能が更新したことを示した。次にWntシグナルの負の制御因子であるsFRP-3を添加し骨分化誘導行った。すると非添加群に比ベアルカリフォスファターゼ、Runx2などの早期発現が確認された。これらの結果より、MSCsの培養過程においてWntシグナルを制御することは骨再生医療において効率性の面よりさらに有用であることが示唆された。さらにこれまでの研究により歯髄幹細胞の増殖能が骨髄由来MSCsより勝ることが報告されている。本研究では永久歯歯髄幹細胞や乳歯歯髄幹細胞を用いて細胞増殖の検討を行った。特に乳歯歯髄幹細胞においてはMSCsに塩化リチウムを添加した細胞と同等の高い増殖能をすでに保有していた。細胞内のβ-カテニンの局在を検討したところ乳歯歯髄幹細胞では骨髄由来MSCsに比べ核へのβ-カテニンの集積が顕著に認められた。このことは乳歯歯髄幹細胞の高い増殖能がWntシグナルによって制御されている可能性を示唆するものであり、乳歯歯髄由来幹細胞の細胞源としての有用性を示すものと思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 同一患者より得た埋伏歯および乳歯歯髄由来幹細胞の細胞特製の比較2008

    • 著者名/発表者名
      片桐渉
    • 学会等名
      第53回日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      徳島県徳島市
    • 年月日
      2008-10-21
  • [学会発表] Wntシグナルトランスミッションによる未分化間葉系幹細胞の骨再生医療効率化に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      片桐渉
    • 学会等名
      第62回日本口腔科学会学術大会
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      2008-04-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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