ヒト慢性骨髄性白血病において癌遺伝子として機能しているBcr-Abl を分子標的薬としたメシル酸イマニチブ(グリベック)が臨床応用され、その有用性が示された。グリベックはBcr-Abl以外にもc-Kit、血小板由来増殖因子受容(PDGFR)の活性阻害を有している。本研究では、口腔扁平上皮癌に対するグリベックの抗腫瘍活性の有無について検討した。 その結果、グリベックは口腔扁平上皮癌に対して抗腫瘍活性を発揮する可能性が示唆されたが、その効果は多様であるため、臨床応用を試みる際には治療前の感受性診断法の確立が必須であると考えられた。
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