研究課題
本年度(〜平成20年3月31日)の研究成果平成19年度:各種ヒト由来癌樹立細胞株を用いて、「癌幹細胞」の同定、単離を予定していたが、ヒト癌幹細胞(CELPROGEN社;2008年発売)を購入することとし、本年は転移に関する実験系を確立した.1:免疫染色による癌幹細胞マーカー候補のCD133発現の検討口腔癌細胞株4種をchamber slide上で培養し、CD133発現を検討した。結果、他部位における癌腫同様、数%程度の細胞にCD133発現を認めたため、癌幹細胞マーカー候補としてCD133を指標にすることにした。2:Boyden chamberによる各細胞の転移能の検討cell invasion assay kit (CHM ECM550)を用いて各細胞での転移能を検討。転移能の高いものと低いものに分けることが出来、転移能の高い株をマウスモデルに用いることとした。3:マウスモデルにおける、高転移細胞株の選択(in vivo)転移実験に先立ってマウスモデルを確立すべく、in vivoにおける各細胞株(in vitro高転移株)が有する腫瘍形成能を検討した。各細胞株をC3H/HeJ Jc1マウス、BALB/Cヌードマウスに腫瘍を移植、継代し、腫瘍形成能および転移能の高い腫瘍を選択することとなった。結果、細胞株間で著名な差を認め、マウスモデルへ応用可能な株を選択できた(sq-1979株など)。転移能の高い細胞株に由来する腫瘍からRNA抽出、固定後、免疫染色した。4:網羅的なPCRアレイ上記2および3で得た結果をもとに、"RT2 profiler PCR array"(Superarray社製)の転移経路に関するアレイ(SPA PAMM028A)を用いて、転移に関与する遺伝子についてRNA発現比較した。転移能に差がある細胞株にていくつかの遺伝子群の発現差を認めた。また、同一の細胞株においても高転移細胞由来腫瘍と低転移細胞由来腫瘍(in vivo ; マウスモデルより摘出)においても発現比較し、いくつかの遺伝子群の発現差を認めた。
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Nova Science Publishers, Inc.NY
ページ: 13-54
Oncol Rep. 17
ページ: 1461-1467