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2008 年度 実績報告書

口腔癌の腫瘍血管形成時に誘導される遺伝子群の解析とその分子標的治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19791534
研究機関札幌医科大学

研究代表者

荻 和弘  札幌医科大学, 医学部, 助教 (40433114)

キーワード口腔癌 / 低酸素応答 / HIF-1 alpha / 血管新生因子 / RNAi / NF-kB
研究概要

腫瘍内は腫瘍新生血管の構造異常や間質圧の上昇などによって低酸素環境下におかれているにもかかわらず、腫瘍細胞は生存増殖を続ける。むしろ低酸素環境は、腫瘍細胞の悪性化、血管新生、放射線抵抗性や抗癌剤抵抗性の誘導などを引き起こす。口腔扁平上皮癌においては、舌癌と骨を被覆している歯肉癌では浸潤形式も異なり腫瘍発育状態の変化を起こす。本研究では、低酸素環境下でのHIF-1の働きと血管新生に関与する遺伝子VEGFおよび血管内皮前駆細胞捕捉性抗体(CD34)を使用し、血管新生因子に関与するマーカーの発現検索を行った。
1. 低酸素環境下での口腔癌細胞の動態把握 ; 放射線(RT)とTS-1は癌細胞にアポトーシスを誘導することが報告されている。口腔癌細胞株を使って低酸素下で転写因子NF-kBが、HIF-1αの発現を制御していることが示された。
2. 口腔癌への動注化学療法の術前化学放射線療法の効果予測 ; 腫瘍微小血管の分布により、抗癌剤の腫瘍局所への配分も異なる。口腔癌の生検時検体を用い低酸素領域にある癌細胞の分布を把握し、腫瘍局所への投与速度(150〜200mg/hr)を一定にシスプラチン投与を行った。手術時検体にて分化傾向を認めない腫瘍細胞ほど低酸素領域が広範囲に見られた。これらの集団を効果的にアポトーシスに誘導するレジメの構築が必要である。
3. 口腔癌患者でのHIF-1α、VEGFおよびCD34の免疫染色にての発現検索 ; 同意の得られた口腔癌患者13例の生検時および手術検体を用いて上記マーカーの検索を行った。生検組織におけるVEGF陽性発現症例は、すべてHIF-1α陽性症例であった。また手術時の切除組織では、5例中2例に生存癌細胞が認められた。これらの生検組織ではHIF-1αかつVEGF陽性症例であった。CD34については相関がみられなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Epigenetic inactivation of RASSF2 in oral squamous cell carcinoma2008

    • 著者名/発表者名
      Imai T
    • 雑誌名

      Cancer Sci 99(5)

      ページ: 958-66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epigenetic inactivation of SFRP genes in oral squamous cell carcinoma2008

    • 著者名/発表者名
      Sogabe Y
    • 雑誌名

      Int J Oncol 32(1)

      ページ: 1253-61

    • 査読あり
  • [学会発表] Clinical investigation of the roles of angiogenic factors in hypoxic regions of oral cancer2008

    • 著者名/発表者名
      荻和弘
    • 学会等名
      アメリカ癌学会2008年年次総会
    • 発表場所
      アメリカ(サンディエゴ)
    • 年月日
      2008-04-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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