研究概要 |
口腔癌細胞株SAS,HSC-3,HSC-4を用いてそれぞれの腫瘍細胞株での腫瘍増殖曲線(無処置群)を作成した。これをコントロールとした。 まず,放射線照射2Gyで抗癌剤投与との併用が可能な細胞数を検討したところ,細胞を5×10^4でフラスコに播種することで実験に適当な細胞数が得られることを確認した。 まずドセタキセル(タキソテール)とシスプラチン(プラトシン)の投与指摘濃度を検討した。In vitroでは腫瘍細胞増殖抑制効果をみとめ,かつ抗癌剤のみで腫瘍細胞が死滅し得ない濃度は,ドセタキセルにおいて0.005〜0.02mg/ml,シスプラチンにおいて0.003〜0.01mg/mlであることが予測された。 抗癌剤の投与順序は,(1)ドセタキセル+シスプラチン同時投与群,(2)ドセタキセル先行投与群,(3)プラトシン先行投与群の3群に分けて比較検討した結果,プラトシン先行投与群が最も抗腫瘍効果が高く,ドセタキセル先行投与群が最も低かった。この結果はプラトシン先行投与群において臨床的には副反応が最も強く出る可能性が考えられた。 続いて,この投与量を元にIn vitroで腫瘍増殖を抑制できる抗癌剤指摘濃度を決定した上で,抗癌剤投与と併用する放射線の照射時期を検討していく。
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