研究課題
唇顎口蓋裂児の顔面と口蓋の三次元データを測定しコンピューター上でこれらデータを統合することで術前顎矯正装置の作成を数値的に標準化するために、本研究では非接触型三次元形状測定装置により非侵襲的かつ高速度に顔面と口蓋の三次元データを測定する方法の確立と統合補助マーカーを用いることで顔面と口蓋の三次元的位置関係を三次元データ測定時に同時に測位し顔面と口蓋の三次元データを統合する方法の確立を目的としている。最終的な測定対象として体動のコントロールが困難な新生児が想定される為に、非侵襲的かつ高速度に患児の顔面構造を測定することを目的として従来の非接触型三次元形状測定装置(テクノアーツ、GRASP-F)の高速化を目的としてステッピングモーターコントローラーならびに運用ソフトの改修を行い、従来の0.4秒から目標の0.1秒まで顔面計測時間を短縮化することができた。また、これまで顔面と口蓋の三次元データの統合にはX線規格写真を用いていた。しかし、新生児において撮影が困難なX線規格写真を用いることなく非侵襲的に顔面と口蓋の三次元データとを統合する事を目的として、GRASP-Fによる顔面部三次元データの取得時に口蓋部と顔面部との三次元的位置関係の測位を可能とするトレー型統合補助マーカーを試作した。成人研究協力者をデルとして、本試作マーカーを用いて改修したGRASP-Fにより顔面部三次元データと同時に顔面と口蓋の三次元的位置関係を測定した。また、同研究協力者の上顎顎模型より非接触型三次元形状測定装置(テクノアーツ、GRASP-M)を用いて口蓋部三次元データを測定した。これらのデータを統合しその精度を測定しうる段階には3月末現在至らず、統合補助マーカーの改良および顔面と口蓋の三次元データを統合する方法の確立は次年度への検討課題として残った。
すべて 2007
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Craniofacial Surgery 12
ページ: 125-128