平成20年度の研究成果 1、歯および歯列弓の三次元計測 北海道医療大学附属歯科衛生士専門学校の学生ボランティアおよび歯科内科クリニック矯正歯科に来院した女性患者から仮想歯列弓モデルを構築し、同年代の韓国人女性(韓国ソウル大学歯学部の学生ボランティア)の仮想歯列モデルとの比較を行い、二国間における歯および歯列弓形態の違いを明らかにした。上下顎歯列弓復径においては日本人の値が韓国人と比較して有意に小さかった。その原因としては臼歯部の頬舌的歯軸傾斜の違いが二国間に存在する可能性が示唆されており、引き続き解析を行っていく方針である。 2、第一大臼歯の三次元解析 萌出直後の第一大臼歯と成人の第一大臼歯を比較することによって咬摩耗を定量化する方法新しく考案した。その手法を日本人と韓国人の第一大臼歯の歯冠部の形態解析に応用し、二国間での咬耗の強さの違いを明らかにした。具体的には日本人と比較して韓国人における咬耗の程度が大きかった。 3、第一大臼歯と歯列弓形態の相関解析 第一大臼歯の大きさと歯列弓形態の各計測項目における相関関係を解析し、さらにその結果を二国間で比較した。第一大臼歯と歯列弓形態の相関関係においては二国間に違いは認められなかった。 今年度の研究成果は申請書に記載した研究計画を確実に実行することにより得られたものであり、歯科矯正における基礎研究および臨床研究の発展に大きく貢献する結果であると考える。
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