ヒトリゾチーム(植物発現組換え体 : 細胞培養、和光純薬)を用いて、リゾチームのGTFaseに対する活性阻害判定を行った。用いたGTFがSt.sobrinus6715株培養上清からの抽出物であり、GTF-SとGTF-Iの2種が混在していたため、若干の知見を得たものの良好な結果は得られなかった。そこで、St.sobrinus 6715株よりGen EIute Bacterial Genomic DNA kit(SIGMA社製)を用いてDNAを抽出し、5'-ttaaagcgctaaaccaaaaa 3'-atggagaagaatgtacgtt tprimerにてGTF-Iの増幅を試みた。Tm=45℃で4850bpのproductを得たため、インサートとしINPACT Kit with T7 Express Cells(ニューイングランドバイオラボ社製)を用いてリコンビナントプロテイン作成を行ったが、期待される成果が得られなかった。次にSt.mutans M6株の培養上清よりGTFを硫安抽出したが、GTFase活性が低く、活性阻害試験に用いることが困難であった。次年度は、(1)培養上清中のGTF-SとGTF社1の分離(2)GTF-I、リゾチーム、アミラーゼのリコンビナントプロテイン作成、(3)それらの相互作用解析を行う予定である。上記に平行して、小児患者のリゾチームやアミラーゼにおけるSNPs解析も進めていく予定である。
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