本年度はカルシウム結合タンパクS100発現制御による歯周炎予防法の開発にあたって(1)健常歯周組織由来の細胞におけるS100とそのレセプターであるRAGEの発現を確認する(2)歯周病原性細菌を作用させた歯周組織由来細胞のS100タンパク質の発現を確認する(3)in vitroで歯周組織由来細胞のS100タンパク質産生およびS100タンパク質の役割に与えるに対するマレイン酸イルソグラジン効果を明らかにするという目的で以下の実駿を行った。 1.歯周組織構成細胞におけるS100フアミリー(B、P、A1、A3、A7、A8、A9、A12、A13)およびRAGE発現パターンの確認 歯肉上皮細胞ではS100P、A1、A3、A7、A8、A9、A12、A13およびRAGEのmRNA発現が確認できた。歯周靭帯細胞ではS100P、A1、A3、A8、A9のmRNA発現が確認できた。 2.歯周病原性細菌であるA.actinomycetemcomitansを作用させた歯周由来細胞のS100タンパク質の発現の確認歯肉上皮細胞ではS100P、A7のmRNA発現が誘導された。歯周靭帯細胞ではS100A1、A3、A9のmRNA発現が誘導された。 3.2.で誘導されたS100発現に対するマレイン酸イルシグラジンの抑制効果の確認 歯肉上皮細胞ではS100A7のmRNA発現が抑制された。歯周靭帯細胞ではS100A3、A9のmRNA発現が抑制された。
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