研究課題
19年度は、本研究の調査フィールドである岩手県花巻市大迫町に在住する、55歳以上の一般住民を対象に循環器疾患に関する検査および歯科検診を行った。この検診に先立って、参加者には家庭血圧計(HEM 747IC-N, Omron Healthcare Co., Ltd, Kyoto, Japan)を配布して1ヶ月間自己測定をしてもらうと同時に、検診の1ヶ月前に岩手県花巻市にある総合花巻病院にて頭部MRI撮影を実施した。検診では循環器疾患の検査として、頸動脈超音波検査、上腕-足首間脈派伝播速度(Pulse Wave Velocity:PWV)測定、血液生化学データ測定および危険因子(BMI、喫煙、飲酒等)についての情報収集を行った。歯科検診では、健全歯、う蝕歯、修復歯、欠損歯など歯に関する診査、歯周ポケットとアタッチメントロスを測定する歯周組織検査、およびパノラマエックス線撮影を実施した。その際、歯周組織のプロービングは全現在歯の頬舌側、近遠心側の4部位で行った。パノラマエックス線撮影は、財団法人福島県保健衛生協会へ委託し、パノラマエックス線撮影装置VeraviewIC5(株式会社モリタ)搭載歯科検診車輌の借用および放射線技師の派遣により行った。検診後は、検査結果を循環器内科専門医が総合評価した上で、対象者個別に生活習慣についての指導を行うと同時に、必要に応じて専門医療機関への受診を勧めた。歯科検診においても歯科医師による口腔内診査で、治療もしくは精査が必要と判断された場合には、文書による受診勧奨を行った。以上の検診は平成19年10月より平成20年3月まで月1回、計6回実施され、180余名の参加が得られた。現在、検診データの整理および画像データの解析は鋭意進行中である。
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老年歯科医学 22巻(In press)
財団法人8020推進財団会誌「8020(はち・まる・にい・まる)」 7
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